吉田山植樹

社会奉仕委員長 内畑一

吉田山植樹を行った2月19日は、週間天気予報では雨でした。

吉田山植樹は、私共京都東ロータリークラブにとっては永年の継続事業であります。吉田神社講社の方々、里山再生の会、地域住民の皆さん、大学生、ガールスカウト、ボーイスカウト、薪ストーブ愛好会と様々なジャンルの方が奉仕に携わってくれております。半世紀近く入山が認められず、ジャングル化してしまった吉田山を「元のように市民が楽しく集える開かれたお山としよう」、「地域に根ざした里山にしよう」と、この活動は続けられております。当然の事でありますが、細い木でも何年かすると驚くほど太く大きな樹木になります。枝葉が太陽の光を遮断し、下草も生えない荒地となります。昼間でも薄暗く、通学路や生活道として使用する市民にとっても決して快適安全とは言えず、過去にも様々な事件、事故も発生していると聞いております。心無い者による不法投棄も見受けられました。

しかし、人々の努力が実を結び、その成果は確実に上がってきております。ウッソウとしていた道に光が入り、人が入ることを拒んでいたいばらの薮も、それこそ手を血だらけにしながら除かれていきました。吉田山に自生している木々を守りつつ新たに桜や紅葉を植えていき、今年度分も含めると140本になりました。残念ながらその内何本かは枯れてしまいましたが、大きく育ち花を咲かせる木々、美しい紅葉を見せてくれる木々も増えてきました。現在では多くの人々に癒しを与えてくれております。普段の奉仕活動内容は主に、雑木の処理ですが、その中にネズミモチと呼ばれるモクセイ科の樹木で高さ8m位に成育する木があります。紫黒色の果実がネズミの糞を連想させるところから、その名が来たと言われていますが、細い枝は分別され、トラックの荷台へ、そして岡崎の動物園へと運ばれ、主に象やキリンに与えられます。動物園北側の通用門が開けられ、専用の置き場へ置くのですが、園長自らが作業を手伝って下さる事もあります。ある意味、無農薬で新鮮な吉田山の木々は、ここでもお役に立っているのです。まさにSDG‘Sそのものです。

なんて感心している場合ではありません。本題に入るのを忘れておりました。

冒頭でも申しました、植樹が行われた2月19日は天気予報通りの雨となりました。本来ですと中止になるのですが、次回開催迄は待てないので、午後から天候が回復するであろうという期待のもと、強行開催となりました。前週の作業で植樹する予定場所に大きな穴が開けられています。番号の付いている苗木を運びます。これが中々に重いのです。さすがに雨中ぬかるんで滑るので要注意です。でもこの日(この天候で参加されるのですから…)のメンバーは筋金入りです。事前に配布された植樹の手引きを参考に、段取りよく熟していきます。植えられた苗木に丁寧に優しく麻布を時計回りに巻いて下さいと言われました。「何故時計回り?」と疑問が湧きましたが、ややこしい天候の中、ややこしい質問をすればもっとややこしくなると思い、黙々と作業を進めました。植えた苗木の周りに土手を作り、雨水がたまりやすくする事も教えられました。ちなみに麻布を巻く理由は、幼木を乾燥と寒気から守る為だそうです。本来ですと、根から水分を引き上げるので、水は循環するのですが、根が充分に伸びていないので、表皮からの蒸散を防ぎ、乾燥を防ぐのだそうです。何故か時計回りに巻いて…

申し訳ございません。ここでもっと重要な報告事項を失念致しておりました。京都東ロータリークラブから今年度の協力金の授与式が行われたのであります。「皆様方から頂いた貴重な財源です。大切に使わせて頂きます。本当にありがとうございます。」と里山再生の会の代表より、厚い謝辞が述べられました。当日は悪天候の中、また、京都マラソンコース内に位置する吉田山。厳しい交通規制の中、私自身も何度となく道に迷い、Uターンを繰り返し、やっとの思いで到着した次第であります。そういう意味では感慨深い植樹になったものと確信しております。今回もとりとめのない稚拙な報告書となりました。最後迄お付き合い下さいまして、誠にありがとうございます。